『万葉集』中、ヤマスゲをよむ歌
→スゲ
集中、山菅とある以外の菅については、「スゲをよむ歌」にまとめた。
長歌
み芳野の 真木立つ山に 青く生ふる 山菅の根の ねもころに 吾が念ふ君は ・・・
(13/3291,読人知らず)
|
短歌
山菅の 実成らぬ事を 吾に依せ 言はれし君は 孰(たれ)とか宿(ぬ)らむ
(4/564,大伴坂上郎女)
かな(愛)しいも(妹)を いつち(何処)ゆ(行)かめと やますげ(山菅)の
そがひ(背向)に宿(ね)しく いま(今)しくや(悔)しも (14/3577,読人知らず「挽歌」)
さ(咲)くはな(花)は うつ(移)ろふとき(時)あり あしひきの
やますが(山菅)のね(根)の なが(長)くはありけり
(20/4484,大伴家持。物色の変化を悲怜して作る)
山菅の 乱れ恋ひのみ 為しめつつ あはぬ妹かも 年は経につつ (11/2474,読人知らず)
玉葛(たまかづら) さきく行かさね 山菅の 思ひ乱れて 恋ひつつ待たむ
(12/3204,読人知らず)
足引の 名に負う山菅 押し伏せて 君し結ばば あ(逢)はざらめやも (11/2477,読人知らず)
山菅の 止まずて君を 念へかも 吾が心神(こころど)の このころはなき
(12/3055,読人知らず)
妹待つと 三笠の山の 山菅の 止まずや恋ひむ 命死なずは (12/3066,読人知らず)
足ひきの 山菅の根の ねもころに 止まず念はば 妹にあ(逢)はむかも (12/3053,読人知らず)
足ひきの 山菅の根の ねもころに 吾はそ恋ふる 君がすがたに (12/3051,読人知らず)
|
|